園長先生の
のびのびLAND
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私にとって初めての子育ては、現在20歳の長女です。
幼稚園教諭としての知識をたくさん詰め込み、長女の子育てをしました。
良かったこともあれば、失敗したこともあります。
その中で一番間違えたなと思うことは
『早くして』
と言わない
ということ。
幼児教育の教科書には書いてあります。
子どもを急がせないということ
子どもには子どもの時間があるということ
そうなんですよ
早くしてなんて言ってはいけないのです。
幼稚園では、『早くして』と一切言わないです。
ですから長女を育てている時も
『早くして』
を使わずに、靴を履く時も
ご飯を食べている時も
どんなに急いでいても
『早くして』
は使わずにじっと耐えて待っていました。
教科書通りに子育てをしました。
・・・ところが
3歳近くになり
本当にあってる?
と気がつくことになりました。
なんと、マイペースな長女に違和感を感じ始めたのです。
人のことはお構い無し、自分の時間で進んで行く娘の姿を見て
これはいけない
と気がついたのです。
子育ては教科書通りにすると間違えることもあるのです。
要は、さじ加減が大切なのです
確かに、急がせないことは必要です。
しかし、時には子が親に合わせることも必要であったのです。
そこで、やるべきことは修正です。
それしかありません。
これには時間がかかりました。
直すということは、倍の時間がかかるのです。
しかし、一番大きく彼女を変えたエピソードがあります。
公園で遊んでいて、帰りたくないと言った娘。
今までなら、本人が帰る気になるように言葉掛けをし、帰る気持ちになるまで待ちました。
しかし、私が帰りたい理由を長女に述べ、本人はその気持ちになっていなかったのですが
「帰るよ」
と言い、車に乗り走り始めました。
長女はその様子を見て、必死に追いかけて来ました。
バックミラーでその姿を見て安心しましたが、追いかけて来なかったらどうしよう…
と心の中は張り裂けそうでした。
しかしこの一件があってからは、本人だけの時間で回っているのではなく、母親にも時間があるということ。人に合わせなければならない時もあるということを理解してくれました。
親として、ここぞと言う時は心を鬼にしてでもやらなけれならないこともあります。
特に、突き放さなければならない時
子どもが辛そうにしているのに、見守ることしかできない時
親心は苦しいです。
私も何度も辛くて泣いたことあります。
変わってあげたいと思ったことは何度もありました。
しかし、それは私の気持ちだけのことです。
子どもにとっての一番は何かを考えると、時にはそういう時も必要なのだと思います。
因みに、バックミラーに映った長女の必死な顔、必死な姿は今でも目に焼き付いて離れません。
それ程、私にとって親として心が痛いことでした。
マイペースが悪いわけではないのですが、行き過ぎたマイペースは社会で適応できません。
子育てのゴールは社会で豊かに生きていかれるように育てることです。
そのゴールを目指すには、今何をすればいいのかを考えて子育てをするのがコツだと思います。
現在20歳です。
行き過ぎたマイペースは直りました。
しかしマイペースは健在です。
う〜ん…と思うことはありますが
それは彼女の個性として、認めていかなければならないのだということは理解しています。
子育てって、難しい
子育てって、長い
だから、皆で育てるのですね
子育てに自信がある人なんていません
一人ではないです
一緒に考えながらやっていきましょう
園長小山布由奈